1 | けふのほこらしやや なをにぎやなたてる つぼでをる花の 露きやたごと |
キユヌフクラシャヤ ナヲゥニジャナタティル ツィブディヲゥルハナヌ ツィユチャタグトゥ | |
読人知らず | |
今日のうれしさは何にたとえよう。ちょうどつぼんでいる花が朝露を受けてぱっと咲き開いたようである。 | |
@「かぎゃで風」の音曲に乗せて、祝い事一般に共通して歌われる慶賀の歌である。 A「ほこらしや」は、「誇らし」から転じて、喜ばし、嬉しなどという言になった語。「なをにぎやなたてる」は、何にがな譬えるで、何にたとえようか。「露きやごと」は、露に行き合ったようだ。かぎやで風節30首、すべて祝賀の意を表す歌曲である。国王の頌歌、国家の繁栄、五穀の豊穣、子孫の繁盛、航海の安全、公事公務の遂行など祝すべく慶すべき歌ばかりである。国王の前で奏したために「御前風節」という別名がある。 B作者・歌の由来はいくつか説があるが、そのうちの一つを紹介する。「伊平屋生まれの金丸が、伊平屋から追われたとき、国頭村奥間の東り鍛冶屋座安主に救われた。その後、尚円王となった金丸は、即位式の時、恩義返しとして鍛冶屋主を招き恩賞を授けた。鍛冶屋主が、喜びのあまり即興で呼んだ琉歌が、このかぎやで風である」(国頭村奥間在、玉城安秀氏による)。 | |
仲節(「かぎやで風」) | |
祝いの歌 | |
有り | |
有り | |
参考文献 |
@高校生のための古典副読本「沖縄の文学」沖縄県高等学校障害児学校教職員組合編 A「増補琉歌大観」島袋盛敏著沖縄タイムス社 |