20 | 思ゆらば里前 島とまいていまうれ 島や中城 花の伊舎堂 |
ウムユラバサトゥメ シマトゥメティイモリ シマヤナカグスク ハナヌイシャド | |
読人知らず | |
心から思ってくださるのなら愛しい人よ。わたしの村を尋ねておいでください。わたしの村は中城の花の伊舎堂です。 | |
@女から男への誘いの歌である。「わたしの村へおいでください。」というのは,遊び(恋を語ること)にいらっしゃいという意味です。昔は、男女とも自分の村以外の者との恋愛は自由にはできなかった。それを越えて、男を自分の村へ誘う伊舎堂娘の心意気は情熱的で明るく、奔放でさえある。 A中城村伊舎堂は、キビ畑に囲まれ東方に中城湾を望む潮の香り漂う静かな村落である。その昔、綿花の産地として知られていた。その綿花を売りに村々里々を歩きまわりながら愛嬌を振りまいた伊舎堂の綿花乙女は、綿花とともに人気者であった。そんな愛くるしい娘に声を掛ける男性も少なくなかったであろう。「島とまいて」の「島」は、海中の島、故郷、領地という意があるが、ここでは美童の「生り島」のこと。「花の伊舎堂」の「花」は伊舎堂の美称、綿花の産地であったところから綿花の意、にぎやかな所、遊びの盛んの所などの説がある。 | |
じっそう節 | |
恋の歌 | |
有り | |
有り | |
参考文献 |
@高校生のための古典副読本「沖縄の文学」沖縄県高等学校障害児学校教職員組合編・A「沖縄文学碑めぐり」垣花武信・東江八十郎著那覇出版社 |