21 | 伊野波の石くびれ 無蔵つれてのぼる にやへも石くびれ 遠さはあらな |
ヌハァヌイシクビリ ンゾツィリティヌブル ニャフィンイシクビリ トゥサワアラナ | |
読人知らず | |
伊野波の狭い石ころ道を、愛する人と連れ添って上っていく。普段はいやで長く感じるこの石ころ道ではあるが、もっと遠く長くあってほしい。 | |
@この歌にはいろいろな伝説があるが、狭い石坂道を登りつめた所で別れねばならぬ恋人同志が、その別れのつらさを胸に「石くびれがもっと遠く続いてほしい」と願っている。A「石くびり」にまつわる地元の伝説,「首里から来た侍が,伊野波間切りの視察をしている時,ウシデークを踊っていた美しい娘を見初めた。二人は恋仲になり,人目をしのんで逢瀬を楽しんだ所が石くびりであった。逢瀬の別れ際に男が詠んだのが伊野波節であるという。「伊野波節」はゆっくりとした重厚な音曲で,別れの悲しさや哀れさを詠ったものが多い。有名な「古典女踊・伊野波節」は,伊野波節と恩納節の二曲で構成されているが,恋する人に会えないで空し く戻る乙女の心の悲しみを歌っている。 | |
伊野波節 | |
恋の歌 | |
有り | |
有り | |
参考文献 |
高校生のための古典副読本「沖縄の文学」沖縄県高等学校障害児学校教職員組合編A「歌・三線のふる里をたずねて」沖縄市立郷土博物館 |