52 | あふたのかさてぃあしゅればまい 木そぎのころてぃむゆけばまい 汝びあてぃど足鳴らびあてぃど 驚き居るよ |
アフタヌカサティアシュリバマイ キスゥギヌコロティムユキバマイ ウブァビアティドゥパズナラビアティドゥ ウドゥルキウルヨ | |
読人知らず | |
落ち葉がカサッと音をたてても、木切れがコロッとかすかに動いても、あなたであろうか、あなたの足音ではないだろうかと、はっと驚き、胸がときめくよ。 | |
恋人のおとずれを待ちわびるおとめの心を歌ったものである。方言独特の擬声語による表現によって、耳をすませ、胸の高鳴りをおさえている姿が、いかにも効果的に描き出されている。これまでにあげた五編の歌は、いずれも「伊良部とぅがに」と呼ばれる歌である。宮古伊良部島の佐和田部落で発生したといわれ、現在では伊良部はもちろん、宮古全体に広く歌われている代表的な宮古民謡である。内容はすべて恋歌で、奔放な情熱を率直に表現したものが多い。農村の青年男女が、草刈やたきぎ拾いのとき、あるいは野ら帰りに歌ったもののようである。詩形は四句形式で、はじめの二句が対句をなし、第三行では、その中に対語対句を含むという手法が一般的な特徴である。曲はせつせつと訴えるような調子で、八重山のトバラーマと似通う面があり、なんらかの影響関係があったのではないかとみられている。 | |
伊良部とぅがに | |
宮古の歌 | |
無し | |
無し | |
参考文献 |
高校生のための古典副読本「沖縄の文学」沖縄県高等学校障害児学校教職員組合編 |