53 浦々の深さ 名護浦の深さ 名護のめやらべの 思ひ深さ
読み
ウラウラヌフカサ ナグウラヌフカサ ナグヌミヤラビヌ ウムイフカサ
作者
読人知らず
大意
深く入り込んだ湾はたくさんあるが、最も深く入り込んでいるのは名護湾だ。しかし、それにもまして名護の娘たちの情も深い。
鑑賞
渚にせまるアダンの緑の中から磯の苫屋の朝餉炊く煙二すじ三すじ ほの白く立ち上れば やがて佳楚の山々は朝日に映えた だんじょとよまれる名護の浦和は 絵であり 詩である 今は跡形もなく消え失せたが 三キロに亙るこの長い曲汀のアダン林は 防潮のために昔蔡温の作り成した遺産である 浦の乙女らは この下蔭で夜な夜な恋を囁いた あたり静かに 独り小波の声のみさらさらと奏でる 青亀もまた産屋求めて誰気づくまい叢林の奥に隠れたかくてロマンの夜は更けて行く(歌碑・碑文比嘉宇太郎より)/土地ぼめの歌(名所の歌)10番の歌参照。
節名
名所の歌
歌の分類・内容
土地ぼめの歌
琉歌碑
有り
ビデオ
有り
引用及び
参考文献
「名護碑文記」名護市教育委員会

琉歌鑑賞へ 目次へ 次の琉歌へ 前の琉歌へ