62 | 恨む比謝橋や わぬ渡さと思て 情けないぬ人の かけておきゆら |
ウラムヒジャバシヤ ワンワタサトゥムティ ナサキネェンヒトゥヌ カキティウチャラ | |
よしやつる | |
恨めしいこの比謝橋は、なんて情けない人が、私を渡そうと思って架けておいたのだろうか。 | |
吉屋チルは読谷村の生まれで、家が貧困のため、幼くして那覇の遊郭に身売りされたという女性である。この歌は、チルが売られていく途中、比謝橋を渡った際に読んだものである。八歳の少女が詠んだ歌だとはとても思えないが、自分を売り買いする人々に対しての怨恨の表現でなく、橋を作った人への恨みという婉曲な表現が、かえって哀れを誘う思いがする。 | |
哀傷歌 | |
哀傷歌 | |
有り | |
有り(RBC) | |
参考文献 |
@高校生のための古典副読本「沖縄の文学」沖縄県高等学校障害児学校教職員組合編・A「沖縄文学碑めぐり」垣花武信・東江八十郎著那覇出版社 |