74 | 伊計人の嫁や ない欲しゃやあしが 犬名河の水の 汲みあぐで |
イチンチュヌユミヤ ナイブシャヤアスィガ インナガヌミズィヌ クミヌアグディ | |
読人知らず | |
伊計島の人のお嫁さんになりたいけれども、あの犬名河の水を汲むことを考えると二の足を踏んでしまう。 | |
当時の島の生活の様子がにじみ出ている歌である。伊計島は山のない平坦な島である。それだけに昔から水に悩まされた。唯一の水源は、犬名河で、かなり勾配のきつい自然の階段を降りて水を汲み入れ、それをかついで百段余りの階段をのぼる。体一つでも息をはずませる難儀な所なのに、ましてや水おけをてんびん棒や頭に載せての仕事は大変な苦痛であったにちがいない。若い娘たちがこの歌のような気持ちになるのもむべなるか名である。「犬名河」の名所の由来は、犬が発見した河ということかららしい。 | |
のんやる節(犬名河の碑) | |
恋・労働の歌 | |
有り | |
無し | |
参考文献 |
「沖縄文学碑めぐり」垣花武信・東江八十郎著 那覇出版社 |