75 あれや本部崎 これや名護浦 近くなて見ゆる 城東江
読み
アリヤムトゥブザチ クリヤナグマガイ チカクナティミユル グスィクアガリ 
作者
読人知らず
大意
あれは本部半島、これは名護の海岸、近くなって見えるは名護の城東江。
鑑賞
@昔、山原の人たちは、徒歩で首里那覇を往復し、那覇港まで黒砂糖や藍玉を運ぶにも馬車を用いることが多かった。この歌は、その頃、首里那覇からの帰りに、ここまでくればもう、いとしい人たちの待つわが家も近い。そう思いながら家路を急いだ人々の気持ちが言葉の奥ににじみ出ていて、なかなか味のある歌である。A地名を並べただけであるが,それでいて立派な歌になっている。道行歌は,このように「地名づくし」の歌が多くある。宮古根(ミャークニー又はナークニー)の語源は「宮古調」の意であると解するのが一般的である。沖縄の各地には,その土地の名を冠したミャークニーが数多くあるが,歌の内容は自由奔放な即興歌で,男女の想いを伝える歌垣にはミャークニーが盛んにうたわれた。
節名
本部ナークニー
歌の分類・内容
名所歌
琉歌碑
有り
ビデオ
無し
引用及び
参考文献
@「沖縄文学碑めぐり」垣花武信・東江八十郎著 那覇出版社A「歌・三線のふる里をたずねて」沖縄市立博物館

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