80 | 今帰仁城に 上て見ちゃりば 誠昔ぬ 御ひざ元さみ 松の枝々 栄え茂りて 何時んときわぬ 緑さしすい 流す小枝に 鷺と烏ぬ巣ゆ替え 小枝を枕に 月ゆ眺むる 四方の原々 作い数々 村んうぬじと 栄え繁昌富貴長命 あぬ家ん くぬ家ん 乗馬立てとて 遊びかじぐと 馬場乗い立て 遊び楽しむ 誠昔ぬ 盛なる御世の 巡り逢うたさ 芽出たや芽出たや |
ナキジンジョウニ ヌブティンチャリバ マクトゥンカシヌ ウヒザムトゥサミ・・・・・・ | |
読人知らず | |
北山城(今帰仁城)の御ひざ元のめでたい所,そこは,常盤なる松の木が緑を湛え,鷺と烏が巣を作っている。そして四方の畑には一杯作物が実っている。人も鳥も大らかに暮らしている・・・・・・。 | |
今泊の福木の大木に囲まれたたたずまいは,古い城下町の風情を存分に漂わせている。特に,公民館の前にある大きなクワディーサーは貫禄十分である。かつての栄華を謳った「豊年口説」の歌碑は,そのクワディーサーの下に建っているが,一昔前までは,そこで豊年踊りや競馬が行われ,ふだんは区民の集会の場となっていた。そして今では,今泊で一番大きな行事・豊年祭の会場となっている。豊年祭は,青年団や消防団の勇壮な棒術をはじめ,ユーモラスな獅子舞,小中学生の路地楽など区民総出の賑やかなお祭りである。一世紀以上の伝統を持つ今泊の豊年祭は,五年に一度,旧暦八月に行なわれているが,「豊年口説」は舞台の一番初めに演じられる祝儀舞踊「長者の大主」の中で歌われる。 | |
豊年口説 | |
口説 | |
有り | |
無し | |
参考文献 |
「沖縄文学碑めぐり」垣花武信・東江八十郎著 那覇出版社 |