急性心筋梗塞で死亡・・・・
29歳 男性
 12月のとても寒い日のことだった。勤務先の小学校の農場で作業をしていたSさんは突然、胸を押さえて倒れた。すぐに運ばれた診療所では処置ができずに、救急車で町の県立病院に運ばれた。急性心筋梗塞だった。賢明な処置の結果、一時は意識を取り戻したが病状は急変し、帰らぬ人となった。Sさんは29歳だった。
 Sさんは、明るくユーモアのある楽しい先生だった。生徒にも慕われ、学校でも重要な仕事を任されていた。中学校からずっとバスケットボールをやり、転勤してからは自転車などもするスポーツの大好きな人で、友人からも一目置かれる存在だった。
 Sさんには心筋梗塞の前触れがあった。時々、胸が痛くなり、仕事中にもよく胸を押さえていた。しかし、その頃はとても仕事が忙しく、田舎の小学校に勤めるCさんは、仕事を休んで、町の病院に検査に行くこともできなかった。倒れる2週間ほど前にも、友人に「最近、胸が痛くなる」と語っていたという。「あの時、無理にでも病院に連れて行けばよかった」と友人達は、悔やむ。
 Sさんは、一人暮らしを始めて2年目だった。原因はわからないが、不規則な食生活や仕事のストレス、地元を離れた寂しさなどの積み重ねが病気をまねいたのかもしれない。最近は若者の心筋梗塞も増えている。彼のような若者が出ることがないように祈りたい。